現在開業から12年以上経過し、その間常に前を見て進めてきました。イベントを定期的に行ってみたり、ボトルキープをメインにしてみたり、アイラのスコッチをショットのメインにしてみたり、バカげたパンデミックを無視して通常営業して・・・2023年秋頃から開業10年経過頃には、海外からのお客様が一気に戻ってこられて店は予想以上に安定し、翌年会社にせざるを得なくなり(個人事業だと税金や健康保険が恐ろしく高額)、逆に人が来すぎて秋から春までは毎日入れない方を断り続け疲弊しながらも(10分に1組断るのはきついですよ)、最高のスタッフ達に恵まれ今日を過ごしています。
64歳の今、ふと振り返れば以前の会社にいれば63歳の去年定年になっていることに気が付きました。自分の好きなことを、足腰立つまで働き続けたくて始めたこのバーですが、日々の生活はも含め、これからはもっと我々が楽しく生きてゆきたい、そのために好きなようにこのバーを運営してゆこうとの考えに至りました。ここまでくれば、もっと楽に過ごしてもよいだろうと。
ありがたいことに、パンデミックから以降も多くの常連様になっていただきました。皆、お一人でお越しのお客様です。
そして一気このバーの方向性を変えてくれたのが、海外からのお客様方です。心優しく、私たちの行っていることを素直に喜んでいただける、正に理解者たちです。パンデミック末期、海外からの旅行での入国が許可されると、急速に増えてまいりました。英語のウェブサイトを2018年から書いていましたが、パンデミックの時も、待ってるよ君たちをという呼びかけを記載もしてありました。
面白いことに、本国にいるときに彼らはきちんとウェブサイトを読んでいてくれて、来日の理由のひとつにこの店が入っていたというではないですか。非常に感激する出来事でした。そして彼らの居住まいの美しさは素晴らしいことに新たに感激しました。
そんな彼らがまたやって来る、そして翌年も同じ彼らはまたやってくる・・・。
トップページにも記載している通り、常連様、海外からのお客様、そのお客様たちと日々過ごすことが何より楽しいい時間となっています。また我が家の猫たちもより甘える年齢になり、もっと一緒にいてやりたいと思うことも多々あります。
我々が愛して止まない海外のお客様につきまして、その理由は以下の通りです。
・秋から春にかけて予約で埋まる日も多いですが、ある意味厳しいウェブサイト内容を承諾しなければ予約を受けないシステムになっています。それだからこそ、来てみたいと思う方が多いのも事実です。素晴らしい方々ばかりです。
・ルールやこのバーの在り方を理解し、そこに従ってそれ以上にこの場所を楽しんで帰る、そしてまた来る、そうした方々が日々増えています。
・今私たちがやりたいことをご理解いただける日本人が非常に少ないと感じます。会員制にするのは(まずは日本の方、いずれは海外の方)それがいちばんの理由です。うるさいと怒鳴るのも疲れました。
追記
現在、日本の方の新規の入店を断る理由
パンデミックが明ける頃、同世代、それ以上の年齢のお客様も、定年・会社の売却・地元に戻る等で次第に足が遠のくだろうとの予測通りとなり、さらには以前の様に飲めなくなり(私もです)、足が次第に遠のくことをこの3年実感しています。
加えて渋谷の街も再開発以前から地上げ、パンデミックの影響、店主の老齢化により、素晴らしい飲食店さんが一気に減少してチェーン店だらけの街に変化し続けています。
そうした渋谷で新規のお客様を集めようと努めましたが、パンデミックが明ける前後の1年やってみて、年齢関係なく勘違いしている方ばかりがやってくる日々にも苦痛を感じていました。二人以上で来る方は間違えなく一人がやたらとしゃべるだけでうるさい。他の人達は音を楽しみ酒を味わい静かに自分達の時間を過ごしているのに、妨害行為です。
おそらくここが渋谷だからだと思います。実はかなりコアな店が多く、大人たちの隠れ家がたくさんあったのですが、次第にそうではなくなってきています。老舗レストランも苦労しているのでしょう、何やら妙なシステムで回さざるを得なくなっています。働く人もいないし。逆に人と接することがわからない人を増やしているように日々感じます。
2026年7月 記
店主 伊藤滋